ヒトのDNAは、人類の記憶そのものだ。

　きっと人類誕生以来の記録が累々と積み重なり、薄暗い部屋のようなところに奥の方から順に並んでいるに違いない。だから、人類創生の頃の記憶を辿ろうにも最早取り出せなくなっているのではないのか。

　でも、確かに記録は残っているのだろうから、誰かが画期的な取り出し方を見つけてくれるのを記憶たちは静かに待っているに違いない。

　たぶん世の中のあらゆるレキシは記録（記憶）で成り立っている。当たり前田のクラッカーだ。

　例えば、コクサイブンカ（国際文化理容美容専門学校 渋谷校/国分寺校）のレキシだって、通り過ぎていった全ての関係者の記録（記憶）で成り立っているに違いない。

　数万人におよぶ卒業生の記憶、関わってきた教職員の記憶、それらが渾然一体となってコクサイブンカを形づくっているというわけだ。

　先日卒業していった138期生もまた、螺旋を描く国際文化DNA配列に組み込まれたに違いない。

　その彼らの足跡たる『卒業記念発表会』が、『LINE CUBE SHIBUYA』(渋谷公会堂)で行われ、2年間に蓄積したモノを吐き出してみごとな形を作り出してみせた。

　きっとその形は、連綿と受け継がれてきた国際文化DNAの味付けが隠し味になっているに違いない。そしてまた、140期生が、新たな新入生が、そのDNAを隠し味に育っていくのでありましょう。